チャドクガ(ドクガ科ドクガ属)

ツバキ、サザンカ、チャなどのツバキ科の植物だけに発生する害虫です。1枚の葉の裏にフェルト状の膜に覆われた卵塊を産みつけ、孵化した幼虫が整列しながら葉を食害していき、大きくなるにつれて樹木全体に広がって食害していきます。1枚の葉から発生した食害は2メートルほどの樹木全部の葉を食い尽くすほどです。

成虫、幼虫ともに持つ短い毒針毛に強い毒性があります。幼虫1匹の毒針毛は50万本にも及ぶと言われ、卵塊や6回繰り返す脱皮時の抜け殻や死骸にも付着しているので注意が必要です。また、毒針毛は風に乗って飛散もするので被害は大きい害虫です。発生は5月と9月を中心に年2回。殺虫剤は一般的な園芸用殺虫剤で大丈夫ですが、死骸の処理には十分気をつける必要があります。全体に広がらないうちに殺虫することが大事になります。

毒による症状は軽い場合は痒みですみますが、赤く腫れ上がったり痒みや痛みが長く続きます。2回目以降、アレルギー反応でより強い反応が出こともあるようです。治療にはステロイド外用薬や抗ヒスタミン軟膏が有効です。